トイレ遺構(-いこう)もしくは便所遺構(べんじょいこう)とは、発掘調査や考古学研究の結果、過去にトイレ(便所)として利用されたことが明らかとなった遺構。今日確認されている世界最古のトイレは、イラクに所在する古代メソポタミア文明のアッカド王朝時代のテル・アスマルの遺跡から発見された紀元前2200年頃の水洗式トイレである。日本のトイレ遺構の確認は1980年に一乗谷朝倉氏遺跡で金隠しが発見されたことが始まりである。
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トイレ遺構は、従来は、深い土坑(どこう)のなかのウリの種、ハエのサナギ、尻を拭くための籌木(ちゅうぎ、クソベラ)などにより発掘調査中に肉眼で観察できたものに限られていたが、1992年、奈良国立文化財研究所による藤原京跡の発掘調査で土壌を水洗して有機体遺物を採取する浮遊遺物洗浄法(フローテーション)がおこなわれ、籌木のほか、食べられたものの消化されずに排泄された種子・花粉や、魚骨、トイレ環境に生息する昆虫、人々の体内に生息していた寄生虫の卵などが見つかって考古学的にトイレとして利用されたことが証明された。これによって重要なトイレ遺構の発見が相次ぎ、今日ではトイレの形状・構造のみならず当時の食生活全般や健康・衛生・栄養状態、料理法、食生活環境などを知る大きな手がかりとして注目されている。
テル・アスマルはイラク東部、バグダードの北東約60kmの位置にあるシュメールの都市エシュヌンナの遺跡である。ここで発掘されたアッカド王朝時代(前2200年頃)の宮殿から、いま我々が知ることのできる世界最古のトイレが発見されている。